頭痛
頭痛は国民病ともいえる病気で、日本人の3~4人に1人が「頭痛持ち」と言われています。また、男性に比べて女性の方が頭痛に悩まされる割合が高い傾向があります。
一言で頭痛といっても、明確な病気が原因となっていない慢性頭痛(一次性頭痛)と、何か病気が原因になっている頭痛(二次性頭痛)に分けられます。
慢性頭痛(一次性頭痛)
片頭痛(偏頭痛)
片頭痛は頭の血管拡張時に痛みが現れて起こる頭痛です。
脈を打つようにズキンズキンとした痛みが出てくるのが特徴です。
痛みの発作前に前兆が現れることも多く、視野の中にチカチカした光や、ギザギザした星形の物が見える事があります。
ストレスが原因になることが多く、その他にもチョコレートやチーズ、ナッツといった食べ物やアルコールの摂取が頭痛を引き起こす原因となることもあります。
女性の場合では生理や妊娠、出産などにより片頭痛が起こることもあります。
片頭痛注射予防薬「エムガルティ」投与開始のご案内
新しいタイプの片頭痛治療薬エムガルティが当院でも使用可能となりました。
これまでの内服による予防薬とは異なり、月1回の皮下注射を行います。
エムガルティのはたらき
片頭痛は脳内にCGRPという物質が増え、脳の血管に作用して起こると言われています。
エムガルティは、CGRPのはたらきを抑え、片頭痛発作が起こるのを抑えると考えられております。
エムガルティの効果
- ・片頭痛日数を減らす
- ・急性期治療薬を使う日数を減らす
- ・片頭痛発作を軽くする
対象者
- ①18歳以上で、医師に片頭痛であると診断されている。
- ②過去3か月間の1ヶ月あたりの片頭痛日数が平均4日以上ある。
- ③日常生活上の注意や急性期治療薬(鎮痛薬やトリプタンなど)を使用しても日常生活に支障がある。
- ④プロプラノロール(インデラル)、バルプロ酸(デパケンR)、ロメリジン(ミグシス)などの予防薬を使用しても効果が乏しい、あるいは副作用がある、または合併症のためにこれらの薬剤を使用できない。
当院でのエムガルティ注射の流れ
- 1. 問診、診察を行います。同日に採血を行うこともございます。
MRI 撮影が必要な場合は、メディカルスキャニング 等に ご紹介 いたします。 - 2. 診察後、エムガルティ治療が必要と判断された場合、初回投与日を決定し、薬剤を取り寄せて院長または看護師が注射いたします。
- 3. 3か月 投与後を目安に継続の有無を判断いたします。
費用について
- ・保険適用です。3割負担の場合、1本あたり13,550円(元の薬価は45,165円)です。
その他、通常の再診料 や注射手技料などがかかります。 - ・初回は2本使用します。 2回目からは1本です。
緊張型頭痛
ストレスが溜まっていると、気付かないうちに肩から首の後ろ、後頭部にかけて筋肉の張りが出てきます。
この張りが続くと、後頭部から側頭部に痛みが現れます。疲労が溜まりやすい夕方から夜にかけて痛みが強くなる事が多いです。
治療としては内服薬の他に、マッサージや運動なども効果がありますが、根本的にはストレスの原因の究明及びその除去が大切となります。
群発頭痛
群発頭痛は、目の奥がえぐられるように痛む頭痛です。
たとえば、春先や秋口など季節の変わり目に集中して頭痛が起き、その後しばらくは症状がおさまるというサイクルが半年~3年周期で起こります。群発頭痛は20~40歳代の男性に多く見られ、結膜充血・流涙・鼻汁・発汗といった症状も合わせて現れる特徴があります。
二次性頭痛
脳の病気などが原因となり起こる頭痛です。 代表的なものでは「くも膜下出血」や「脳出血」、「脳梗塞」などの脳血管障害が二次性頭痛に分類されます。 強い痛みの他に手足の麻痺やしびれ・痙攣や、激しい嘔吐、高熱などの症状をともないます。
脳出血
脳内の血管からの出血により脳が腫れることが原因の激しい頭痛です。
脳梗塞
脳内の血管が細くなったり、血栓が詰まることで脳が障害をうけ、脳が腫れることで起こる激しい頭痛です。
くも膜下出血
脳の血管が膨らんでできたこぶ(動脈瘤)が破れて出血した状態で、これにより突然の激しい頭痛が起こります。
これらが原因の頭痛は命にかかわり、後遺症のリスクもあるためすぐに医療機関に受診しましょう。
まずはご相談ください
頭痛の症状は脳神経内科が専門の領域になります。
専門医が適切に診断・治療を行いますので、お気軽に当クリニックまでご相談ください。
診療の流れ
神経学的診察・診断
迅速に診断を行い、治療を開始致します。頭部CT・MRIなどの画像診断が必要な場合は、近隣の検査施設・医療機関をご紹介致します。早期の検査予約が可能です。
よくある質問
MRIなどの検査で異常が無いと、原因がわからないということですか?
検査は、脳出血は腫瘍などの重篤な病気が隠れていないことの確認の為に行います。異常がなければ、安心して片頭痛や緊張型頭痛として治療をします。体質的なものでは、首や肩の凝りから生じる頭痛など様々です。異常がない=原因不明=治せないということではありません。
頭痛を起こしにくくするお薬は一生飲まなければいけないのですか?
そんなことはありません。多くの方は数週間から数ヶ月で薬を飲まないで生活できるようになります。